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不動産投資の融資・買主動向の変化|広がる選択肢と効果的な集客方法

近年、不動産投資の融資に関する環境は大きく変化しています。2018年のスルガショック以降、融資は厳格化の流れが続いていました。コロナショックを経て回復傾向にあるものの、以前のような無条件のフルローンは見られなくなっています。今回は、不動産投資の収益物件における融資や買主の動向、集客の重要性などを解説。ぜひ参考にしてみてください。

目次[非表示]

  1. 1.スルガショックとコロナショックの影響
  2. 2.投資用ローンと住宅ローンの違い
  3. 3.買主の属性による融資の違い
  4. 4.提携融資とメリット
    1. 4.1.提携融資のない不動産会社でも融資は可能
  5. 5.優良な買主集客に役立つ3つの方法
  6. 6.柔軟な融資選定と集客戦略を実践しよう!

スルガショックとコロナショックの影響

スルガショックとコロナショックの影響

2018年に発生した「スルガショック」は、不動産投資市場に多大な影響を及ぼしました。この出来事では、一部の金融機関が不正な融資を行っていたことが明るみに出ます。その結果、金融庁が監督を強化し、投資用物件への融資が一気に厳格化されることに。

これまで積極的に融資を受けていた個人投資家の多くが、資金調達の難しさを実感するようになりました。とくに、一棟物件に対する融資は大幅に制限され、翌年の2019年には市場の冷え込みが顕著になったのです。

その後、世界的なパンデミックとなったコロナショックが発生し、経済全体に大きなダメージをもたらしました。感染状況が落ち着くにつれて、不動産投資市場にも回復の兆しが見え始めます。しかし、金融機関による審査基準の厳しさは変わっていません。現在では、投資用不動産に対する融資はある程度回復しているものの、金融機関の姿勢は依然として慎重です。

また、かつて見られたような、無謀なフルローンはほとんど提供されなくなりました。融資の対象となるのは、「自己資金が豊富」「高い属性を持っている」といった条件を満たす投資家に限られる傾向が強まっています。

投資用ローンと住宅ローンの違い

融資について理解する際に重要なのが、投資用ローンと住宅ローンの違い。投資用ローンと住宅用ローンの金利と融資期間の違いは、以下のとおりです。


金利

融資期間

投資用ローン

2~3%

最長35年

住宅ローン

0.5%前

原則、法定耐用年数  
・木造:22年  
・鉄骨造:34年  
・鉄筋コンクリート造:47年

まず、投資用ローンは2~3%ほどと金利が高い傾向にある商品です。一方で、住宅ローンは0.5%前後と低金利で利用できるため、個人のマイホーム購入には有利な条件になるでしょう

さらに、融資期間にも大きな違いがあります。住宅ローンの場合は築30年のマンションでも最長35年のローンが組めることがある一方で投資用ローンでは原則として「法定耐用年数」に基づいた融資期間を設定。たとえば、木造物件なら22年、鉄骨造なら34年、鉄筋コンクリート造なら47年といった具合に、建物の構造によって融資期間が大きく異なります。

買主の属性による融資の違い

投資用不動産の融資では、買主の属性(年収や自己資金など)が大きく影響を与えます。とくに、大企業の社員や医師・弁護士・税理士といった方々は、金融機関から安定した収入があると評価され、優遇された条件での融資を受けることが可能です。

地方銀行では、高い属性を持つ投資家に対して専門チームを立ち上げ、特別なローン商品を提供するケースが増加。たとえば、通常は木造物件であれば22年が最大の融資期間となるところを、特定の金融機関では30~35年、場合によっては50年といった長期融資を提供することもあります。

一方で、地主や自営業者などの投資家は、主に取引のある金融機関を利用して融資を受けるケースが一般的です。この場合、融資期間は原則として法定耐用年数以内に設定されることが多くなります。また、法人名義での投資の場合は、企業と金融機関との取引履歴や信用力に応じて融資条件が変動し、築古の物件でも長期融資が可能です。

提携融資とメリット

提携融資とメリット

一定の会社規模や販売実績などの要件をクリアしている一部の不動産会社では、金融機関と提携して特別な融資条件を提供する「提携融資」が利用できます。主に新築ワンルームマンションや新築アパート、中古物件の買取再販などを行う不動産会社が提携を結びやすく、このような会社の顧客は有利な条件で融資を受けられるでしょう。
提携融資の特徴として、一般的な融資条件よりも金利が低く設定されていたり、フルローンが可能だったりする点が挙げられます。一方、提携融資を利用できるのは、大企業や士業など属性の高い投資家が中心です。

提携融資のない不動産会社でも融資は可能

金融機関との提携融資がない不動産会社でも、適切な情報収集と金融機関への相談を通じて融資を実行することは可能です。現金で不動産を購入する投資家はいるものの、大半は融資を活用しているのが現状です。最近では、金融機関との提携がない場合でも、以下のような好条件の融資を受けられるケースが増加しています。

関東エリアを対象とした地方銀行

一都三県を中心に、築25年以内で積算価格が一定水準に達している物件に対し、フルローンの提供が行われている。

東京・神奈川を中心とする金融機関

新築や築浅物件を対象に、1億円以上の物件であれば積極的にフルローンを実行するケースが増えている。

全国対応の金融機関

築年数の制限はなく、4,500万円以内の物件に限られるものの、フルローンが可能な金融機関も存在する。

以前に比べて融資の選択肢は広がっており、属性や自己資金が重視される傾向は続くものの、投資家にとっては資金調達の幅が広がっている状況です。

優良な買主集客に役立つ3つの方法

融資環境が改善されつつあるなか、不動産会社にとっては「いかに優良な買主を集客するか」が重要な課題です。とくに高額物件を扱う場合、ターゲット層を明確にし、効果的な手法を活用する必要があります。有効な集客方法は、以下の3つです。

  1.  ポータルサイトの活用
    多くの投資家が利用する「不動産ポータルサイト」を活用することで、効率的に買主を集めることができるでしょう。一棟物件の集客においては、「不動産連合隊」といった特化型ポータルサイトの活用が有効です。自社ホームページだけではなく広範囲の投資家にアプローチするためにも不動産ポータルサイトを活用しましょう。

  2.  セミナー・内覧会の開催
    コロナ禍で一時的に制限されていた対面イベントも、現在は復活しています。セミナーや内覧会を開催することで、潜在的な買主との接点を増やし、物件の魅力を直接伝える機会を作れるでしょう。オンラインセミナーと併用することで、より広範囲の投資家をターゲットにすることも可能です。           
      
  3.  法人顧客の集客
    1億5,000万円以上の高額物件になると、個人投資家の購入は限られた層に絞られます。個人の場合、5,000万円以上の自己資金や担保余力が求められるため、適合する投資家は限られます。一方で、法人顧客は金融機関との関係性によって独自の融資条件を享受できるケースが多く、高額物件のターゲットとして有望です。今後は、法人向けの集客施策を強化することが、不動産会社にとっての成長戦略の鍵となるでしょう。

このような集客戦略を展開することで、不動産投資市場での競争力を高めることが可能です。

柔軟な融資選定と集客戦略を実践しよう!

柔軟な融資選定と集客戦略を実践しよう!

現在の不動産投資市場では、融資の条件は厳しくなっているものの、以前と比較すると利用可能な金融機関の選択肢が増えています。とくに、買主の属性(年収や自己資金など)によって融資の条件が大きく異なるため、個々の状況に合わせた金融機関の選定が重要です。

また、買主の集客に関しても、ポータルサイトの活用、セミナーの開催、法人顧客の開拓など、多角的なアプローチが求められます。今後も市場の変化を注視しながら、適切な融資戦略を立てることが不動産投資成功の鍵となるでしょう。

ラルズネット編集部
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