不動産Web集客の成功戦略｜4つの入口と動線設計で反響UP

「うちは少人数の不動産会社なので、Web集客にかける予算がない」
「接客業務が多く、Web集客にまで手が回らない」

こうした悩みを抱える不動産会社は少なくありません。

しかし、中小の不動産会社においても「Web集客の仕組み化」の重要性が増しています。予算や人手の制約があるからこそ、Webを活用して効率的に集客する必要があるでしょう。

このコラムでは、不動産会社にとってWeb集客の重要性が高まっている理由と、具体的にWeb集客を仕組み化する方法を解説します。

はじめに、中小の不動産会社にとって、「なぜWeb集客がこれほど重要になっているのか」を見ていきましょう。見込み客の行動が変化する中で、Web集客はもはや「あると便利なもの」ではなく、「会社の成長を左右する土台」となりつつあります。

住まい探しのきっかけは、いまや大半がインターネットと言われています。ポータルサイト、SNS、Googleマップなどをきっかけに、来店や問い合わせをするのが当たり前になりました。「ネット上で見つけてもらえない＝検討の候補に入らない」時代と言えるでしょう。

大手に限らず中小の不動産会社でも、Web集客を重視する動きは着実に広がっています。たとえば、ラルズネットが運営する不動産ポータルサイト「不動産連合隊」では、加盟店数が2019年の865社から、直近では950社以上へと増加しました。

加盟した不動産会社の多くが中小の不動産会社であり、従業員1～5名の小規模な不動産会社でも、Web集客に力を入れる企業が増えています。

少人数でさまざまな業務をこなす中小の不動産会社にとって、「ルーティンワークで集客が回る仕組み」をつくることが重要です。Web集客を強化すれば、「省人化×反響増」を同時に実現できます。

これから大半の地域では、人口減少とともに人手不足がさらに深刻化していくでしょう。「少人数でも反響を取れるWebの仕組みを持っているかどうか」が、これから先、不動産会社の生命線になります。

最近の見込み客は、物件情報を見るだけでなく、「この不動産会社は信頼できるか」を事前に確認する傾向があります。そのため、以下のような情報をWebで発信できている不動産会社ほど、問い合わせにつながりやすくなっています。

・スタッフ紹介

・実績紹介

・お客様の声

・地域情報

・口コミへの対応　など

これらの情報をしっかり発信している不動産会社は、問い合わせが来る段階ですでに信頼を得やすく、成約につながりやすい傾向があります。Web集客は、単に「問い合わせを増やす仕組み」ではなく、「オンラインで信頼を築くための大切なプロセス」でもあります。

ラルズネットでは、加盟店様への取材を通じて多くの成功事例を見てきました。その中でわかったのは、Web集客で成果を出している不動産会社には共通点があるということです。ここでは、取材で見えてきた「反響を増やしている会社が実践している3つのポイント」をご紹介します。

反響を得ている不動産会社の特徴は、集客の入口（チャネル）の数が多いことです。1つのチャネルに依存せず、複数のチャネルから反響を獲得できる仕組みを整えています。

これらのチャネルを組み合わせて運用すると、見込み客がどの経路から来ても自社につながるようにできます。逆に、1つのチャネルだけに頼ると、アルゴリズム変更などの影響で反響が急に減る可能性があるでしょう。

複数のチャネルを使い分けることで、安定して問い合わせを得られるようになります。

「複数のチャネルを運用しているのに、思ったような効果が出ない……」

このように感じている不動産会社もあるでしょう。Web集客で成果をあげるために重要なのは、単に入口を増やすだけでなく、「問い合わせまでの動線」を設計することです。

どのチャネルから訪れても見込み客が迷わず、問い合わせへのステップへ進める──そんな導線設計こそが、反響を生み出すWeb集客の鍵を握ります。

どれほど多くのチャネルを設けても、情報が古いままでは信頼を損ねてしまいます。たとえば、自社サイトやSNSの更新が長期間止まっていると、「問い合わせても対応してもらえないのでは……」という不信感を抱かれてしまいます。

とはいえ、現実的には「接客や管理業務が忙しく、情報公開や更新まで手が回らない」という中小の不動産会社も多いのではないでしょうか。

このような余裕のない会社は、AIのサポートを活用するのがおすすめです。AIによる自動コメント生成や投稿サポート機能を使えば、短時間で反響につながるコンテンツを作成できます。

前述のように、不動産Web集客で成果をあげるためには、複数のチャネルを活用し、それぞれを連携させることが重要です。一つの手段に依存するのではなく、複数のチャネルを組み合わせることで、より幅広いターゲットにアプローチできます。

〈不動産Web集客で重要度が高いチャネル〉

・自社サイト

・ポータルサイト

・Googleマップ（Googleビジネスプロフィール）

・SNS（Instagram・LINE・YouTubeなど）

ここでは、不動産Web集客における、それぞれのチャネルの役割と活用ポイントを整理します。ご一読いただくことで、「今後のWeb集客で何をすべきか」が明確になるはずです。

自社サイトは、他のチャネルから流入した見込み客の信頼を獲得し、問い合わせという行動を促すハブの役割を担います。自社サイトの活用ポイントは以下のとおりです。

自社サイトのコンテンツが、物件情報中心で他の情報が薄いと、信頼感にはつながりません。以下のコンテンツを充実させることで、「信頼感を得る→問い合わせにつながる」流れをつくれます。

〈信頼感を生むコンテンツ例〉

・施工数、契約数、管理数の実績数

・代表メッセージや会社の理念

・お客様の声

・スタッフ紹介（人柄や専門性）

・コラム（見込み客に役立つ地域情報やノウハウ）

中小の不動産会社の場合、有料広告に大きな予算を割けないケースが多いため、自社サイト単体での流入には限界があります。だからこそ、他のチャネルからの流入を意識した導線設計が欠かせません。

〈動線設計の一例〉

・ポータルサイトから自社サイトへ

・Googleマップから自社サイトへ

・SNS投稿から自社サイトの物件ページへ

また、自社サイトの中で関連ページへつながるリンクを設けると、見込み客がサイト内を回遊しやすくなり、結果的に滞在時間も長くなります。こうした「回遊しやすいサイト」は検索エンジンからの評価も高まりやすくなります。

自社サイトへの流入を増やすには、SEOが欠かせません。とはいえ、中小の不動産会社では専門的なSEOに取り組むリソースが限られているケースも多いでしょう。最低限取り組みたい施策は、「地域名＋物件種別」キーワードを意識した情報発信です。

〈キーワードの一例〉

・〇〇市　賃貸

・〇〇区　リノベーション

・△△駅　売買

こうしたキーワードをページタイトル、見出し、本文内に適切に盛り込むことで、検索サイトから「地域に密着し、更新が活発なサイト」と評価されやすくなります。結果として、地域検索（ローカルSEO）で上位表示される可能性が高まり、地元で探している見込み客との接点を増やせるでしょう。

自社サイトを機能させるには、これ以外にも多くのノウハウが必要です。これから自社サイトを作成する場合は、不動産事業に詳しいHP制作会社へ依頼がおすすめです。

ポータルサイトは、大勢の「物件を探している人」に直接アプローチできる、集客の強力なチャネルです。とくに中小の不動産会社にとっては、自社サイトやSNSだけでは届きにくい層に認知を広げる有効な手段です。

一口に「不動産ポータルサイト」と言っても、サービスによって特徴が異なります。導入する際は、自社の方向性と相性のよいポータルサイトを選ぶことが重要でしょう。

たとえば、ラルズネットが展開する「不動産連合隊」は、地域密着型の不動産会社と相性のよいサービスです。全国の主要都市をカバーしつつも、各地域に特化したコンセプトのため、「地域密着型の不動産会社が反響を得やすい」という特徴があります。

利用するポータルサイトは1つに限定する必要はなく、狙いたいターゲットや戦略に合わせて、複数のサービスを運用する手もあります。

「ポータルサイトを導入したから集客は安心」という考えは早計です。同じポータルを使っていても、運用のしかたによって反響数は大きく変わります。その代表的な要因が「掲載物件数」です。

なぜ、掲載物件数が重要なのでしょうか。その理由は、見込み客は複数の物件を比較しながら検討するため、掲載数が多い会社ほど「候補に入る確率」が高まるからです。結果として問い合わせにつながりやすくなります。

Web集客がうまくいかない不動産会社が抱える代表的な課題が以下の内容です。

・業務が忙しくて物件数を思うように増やせない

・コメントや写真の質が低くて反響が伸びない

これらを解決する手段として注目されているのがAIの活用です。以下のようなAI機能を導入しているポータルサイトを選べば、少ない工数で高品質なコンテンツを作成できます。

〈ポータルサイトのAI機能例〉

・反響を取りやすい物件コメントをAIが自動作成

※ラルズネットが提供する不動産会社向けシステム「ラルズマネージャー」で実装されているAIツールです。

集客において、AIを活用すると、「時短×反響アップ」を実現できます。そのため、ポータルサイトを選定する際は、AI機能の充実度を確認することが重要でしょう。

私たちが加盟店様へ取材する中で、反響が伸びている会社は「Googleマップ」を積極的に活用している傾向があります。短期間で口コミを200件以上集め、大きな成果をあげている不動産会社もありました。

不動産のWeb集客におけるGoogleマップの役割は、「地域で物件を探している見込み客」を効率よく取り込むことです。Googleマップの特徴と活用ポイントは以下の通りです。

「地域名＋不動産会社」で検索すると、通常、検索結果の最上部にGoogleマップ枠（ローカルパック）が表示されます。この枠は検索画面の上位に表示されるため、非常に高い集客効果を発揮します。

とくに「その地域で物件を探している」ユーザーに対しては、的確にリーチできる点が強みです。地域密着型の不動産会社にとって、Googleマップは「地域で発見されるために欠かせない入口」と言えるでしょう。

Googleマップは単なる位置情報ツールではありません。口コミや評価を通じて、見込み客との信頼関係を築く場でもあります。実際、多くのユーザーが以下の情報を確認したうえで来店や問い合わせを行っています。

・星評価

・口コミ（コメント）

・口コミへの返信の有無

一つひとつの口コミに誠実な返信を続けることで、「この会社は対応が丁寧」「信頼できそう」といった印象を強化できます。とくに、低評価の口コミにも真摯に対応する姿勢が、信頼形成につながります。

Googleマップが不動産会社のWeb集客で重要視される理由の一つには、「問い合わせまでの導線を設計しやすい」点が挙げられます。Googleビジネスプロフィールには、以下のような情報を掲載できます。

・自社サイトのURL

・お問い合わせ電話番号

・経路案内

・SNSやLINE公式アカウントへのリンク

これらを適切に設定することで、マップ閲覧をダイレクトに反響に結びつけられます。反響を最大化するためには、ビジネスプロフィールの情報を最新の状態に保つことが大切です。

不動産のWeb集客におけるSNSの役割は、「地域にファンをつくるためのコミュニケーション」にあるでしょう。他のチャネルとSNSの大きな違いは以下のとおりです。

・ポータルサイト・自社サイト・Googleマップ：物件を探している人とつながれる

・SNS：将来的に物件探しをする人ともつながれる

即効性はありませんが、日頃から情報発信を続けることで、「この会社は信頼できる」「地元に根ざした不動産会社だ」という印象を高められます。

SNSでは、担当者の人柄や企業の雰囲気を感じてもらえる情報発信が重要です。たとえば以下のような投稿が効果的です。

・スタッフの日常

・現場での作業風景や施工事例

・地域イベントや行事の様子

こうした投稿によって、ユーザーの心理的ハードルが下がり、来店や問い合わせにつながりやすくなります。また、SNSを活用することで初対面時に「初めて会った気がしない」と感じてもらえる関係性を構築できれば、成約率の向上にもつながります。

SNSでは、「地域情報」と「不動産情報」をうまく組み合わせて発信することが大切です。地域情報だけではフォロワーは増えても問い合わせにつながりにくく、不動産情報だけではフォロワー自体が増えづらいため、情報が届きません。

地域情報とは、地元のグルメ・学校・イベント・街並みなどのことです。これらと物件情報や暮らしに関する情報を合わせて発信することで、「その地域での生活がイメージできる投稿」になり、見込み客にも伝わりやすくなります。

SNSだけでは、直接問い合わせにつながりにくいため、投稿から自社サイトに来てもらうための導線づくりが欠かせません。まずは、次の2つだけでも必ず設定しておきたいところです。

・プロフィール欄に自社サイトへのリンクを入れる

・物件に関する投稿から、物件詳細ページへリンクをつなげる

ただし、SNSで営業色が強すぎる投稿は逆効果になります。まずはターゲットが興味を持つ内容を発信し、そのうえで自然に自社サイトへ誘導する流れを意識しましょう。

不動産のWeb集客で成果を出すためには、複数の「入口（チャネル）」を用意し、それぞれを連携させることが欠かせません。今回ご紹介した4つのチャネルは役割が違いますが、組み合わせて使うことで大きな相乗効果が生まれます。

・自社サイト： 信頼を生み、問い合わせにつながる中心拠点

・ポータルサイト： 新しい見込み客と出会うための入口

・Googleマップ： 地域で選ばれるための“信頼の証”

・SNS： 地域のファンを育てるコミュニケーションの場

ただ入口を増やすだけでは不十分で、入口から問い合わせにつながるまでの「動線」を整えることが反響アップの決め手になります。

まずは4つのチャネルを見直し、自社に合った動線を設計することから始めましょう。そうすることで、地域で選ばれる不動産会社へと近づけるでしょう。

不動産のWeb集客でよくある失敗は、1つのチャネルに依存してしまうことです。

自社サイト・ポータルサイト・Googleマップ・SNSのうち、どれか一つだけに力を入れても、継続的な反響は得られません。4つのチャネルをバランスよく活用し、「入口から問い合わせまでの動線」を意識的に設計することが重要です。

また、情報更新が滞ってしまいサイトやSNSが放置されることも、失敗の典型です。「毎週〇曜日に更新する」「担当者ごとに役割を分担する」など、更新を仕組み化する工夫を取り入れることで、安定した運用が可能になるでしょう。

4つのチャネルの中で、最も即効性が高いのはポータルサイトです。十分な掲載物件数を確保し、写真やコメントを充実させることで、早ければ数週間〜1か月ほどで反響が得られる場合もあります。

次に効果が出やすい入口として、Googleマップが挙げられるでしょう。高評価の口コミを集めることで、地域検索での露出が増え、比較的短期間で反響が生まれる可能性があります。

一方、自社サイトやSNSは中長期的な資産形成型のチャネルとして育てるのがポイントです。継続的な更新により、信頼性とブランド力を高めていきましょう。