catch-img

アパートにゴミ捨て場を設置する方法|管理会社が注意すべき点を解説

アパートの管理会社にとって、ゴミ捨て場の設置や管理は避けて通れない課題です。このコラムでは、管理会社やオーナーが知っておくべきアパートのゴミ捨て場設置の基本から、注意すべきポイント、さらにはゴミに関するトラブルを未然に防ぐための対策まで詳しく解説します。

アパートのゴミ捨て場の設置や管理で、必要な知識を身に付けたい方はぜひ、最後までお読みいただき、万全のサポートにお役立てください。

目次[非表示]

  1. 1.アパートにゴミ捨て場を設置する際の基本
    1. 1.1.アパートにゴミ捨て場の設置義務はある?
    2. 1.2.アパートやマンションに設置する場合は自治体へ届出が必要
    3. 1.3.管理責任があるのはオーナー様か、管理会社か?
  2. 2.汚いゴミ捨て場にしないために管理会社が留意すべき注意点
    1. 2.1.生ゴミの臭い対策をする
    2. 2.2.入居者の動線を意識して設置する
    3. 2.3.アパートの環境に適したタイプを選ぶ
    4. 2.4.ネットや鍵などでカラス対策を行う
    5. 2.5.自治体のルールを入居者に周知する(時間や曜日、分別など)
  3. 3.アパートのゴミ捨て場に関するトラブルとその対策
    1. 3.1.入居者がゴミ出しのマナーを守らない
    2. 3.2.アパートの住民以外が不法投棄を行う
    3. 3.3.​​​​​​​退去時に粗大ゴミが投棄される
  4. 4.管理の行き届いたゴミ捨て場は、アパートの空室対策になる!
  5. 5.よくある質問|アパートのゴミ捨て場の疑問を解決!
    1. 5.1.賃貸物件のゴミ捨て場の管理のポイントは?
    2. 5.2.入居者のゴミ出しトラブルへの正しい対応は?
    3. 5.3.退去時の粗大ゴミ投棄を防ぐ方法は?
    4. 5.4.自治会のゴミ捨て場を利用する際は、自治会の会費を納めるべき?

アパートにゴミ捨て場を設置する際の基本

はじめに、アパートにゴミ捨て場を設置する際に、管理会社やオーナーが知っておくべき基本的な考え方を確認しましょう。

アパートにゴミ捨て場の設置義務はある?

法律的には、アパートやマンションの「ゴミ捨て場の設置義務」についての明確な定めはありません。設置義務はないものの、アパートやマンションなどの集合住宅におけるゴミ捨て場については、自治体ごとに条例や指導要綱でルールを設けているケースが多く見られます。

そのため、物件を新築・増改築する際には、不動産会社や施工会社などが自治体のホームページや窓口でゴミ捨て場の規定を確認するのが望ましいでしょう。

たとえば、函館市では、集合住宅のゴミ捨て場について、以下の指導要項を設けています。

  • この要綱は、2室以上のアパートやマンションなどの集合住宅が対象となる。
  • 集合住宅の新築または増改築などで、ゴミ捨て場を設けるときは、函館市環境部長と協議しなければならない。
  • 環境部長との協議は、所定の様式の協議書によってしなければならない。
参照:函館市「函館市集合住宅におけるごみの共同排出に係る指導要綱

アパートやマンションに設置する場合は自治体へ届出が必要

アパートやマンションにゴミ捨て場を設置する際には、事前に届出や協議が必要な自治体が数多くあります。そのため、事後報告になってしまうと、ゴミ捨て場の仕様の変更などを求められることもあるので注意しましょう。

たとえば北海道の江別市では、4戸以上のアパートやマンションなどの共同住宅には、ゴミ捨て場の設置が条例で義務づけられており、届出書の提出などの事前手続きが必要です。

江別市の規定では、届出書の提出を受けてから5日以内(土・日・祝日を除く)に協議を終えることになっています。この届出から確認・承諾までの期間は自治体によって異なるため、あらかじめ目安となる日数を確認しておくのが無難でしょう。
参照:江別市「ゴミとリサイクル

管理責任があるのはオーナー様か、管理会社か?

アパートやマンションのゴミ捨て場の管理責任が誰にあるのか、これについても、法的に決まっていません。

一般的な考え方として、オーナー様は物件の所有者として、ゴミ捨て場を含む施設全体の管理責任があります。そして、管理会社はオーナーから委託を受けて、日常的な管理業務を担当しています。

これを踏まえると、管理会社とオーナーが協力して、アパートやマンションのゴミ捨て場を管理していく必要があるでしょう。具体的には、管理委託契約書で適切な管理内容を定めておくことをオススメします。

たとえば、国土交通省が配布している「賃貸住宅標準管理委託契約書」では、管理の基本業務に加えて、ゴミ集積所の管理作業の内容と標準回数を記載する欄があります。適切な管理を行うためには、オーナーと管理会社がしっかりと協議し、どのような内容と回数を設定するかを決めることが重要です。これにより、双方が納得のいく管理体制を構築できます。

汚いゴミ捨て場にしないために管理会社が留意すべき注意点

臭いを拒絶する女性

ゴミ捨て場の設置と運用は、アパートやマンションの住環境を向上させるために非常に重要です。汚いゴミ捨て場になると、大きなイメージダウンになりかねません。不動産会社やオーナーの皆様は、以下の点に注意して適切な設置と運用を心掛けてください。

生ゴミの臭い対策をする

アパートのゴミ置き場から生ゴミの臭いが、入居者の部屋や近隣に漏れてトラブルになることはよくあります。これを防ぐには、アパートやマンションの設計段階において、ゴミ置き場と居住スペースの間で一定の距離を確保したり、密閉型のゴミ置き場を設置したするのが得策でしょう。

また、戸数の多いアパートやマンションでは、ゴミ捨て場に脱臭装置を設置することも有効です。
しかし、アパートやマンションのゴミ捨て場は、どれだけ臭い対策を講じてもトラブルになる可能性があります。アパート建設後に臭いが問題となった場合は、原因を特定したうえで以下の対策を講じることが重要です。

  •  ゴミ置き場にシートをかぶせる
  •  とくに夏季はゴミ出しのルールを徹底するよう呼びかける
  •  清掃時にゴミ置き場に消臭スプレーを噴霧する

防犯カメラを設置する

アパートやマンションのゴミ捨て場にカメラを設置することは、ゴミ出しに関するトラブルを未然に防ぐ効果的な手段です。これにより、時間外にゴミを出すなど入居者がルールを守っているかどうかを確認でき、入居者以外による不法投棄の抑止力にもなります。

最近では、1万円以下の防犯カメラも多数ありますが、管理の手間を省きたい場合、ダミーカメラの設置でもトラブル防止に一定の効果があります。また、防犯カメラと合わせて、目立つ位置に「監視カメラ作動中」や「不法投棄は警察へ通報」などの文言が書かれたステッカーを貼るのも効果的です。

入居者の動線を意識して設置する

アパートのゴミ捨て場は、遠すぎたり不便な場所に設置するのは避けましょう。なぜなら、入居者がゴミ出しを面倒に感じ、結果として室内にゴミが放置される原因になることがあるからです。

そのため、ゴミ捨て場は、入居者の生活動線上に設置することをオススメします。

たとえば、駐車場やエントランスから近い位置に設置することで、ゴミ出しをスムーズに行える環境がつくれるでしょう。また、アパートのゴミ捨て場を階段の近くに配置することで、上階の入居者がゴミ出しをしやすくなります。

アパートの環境に適したタイプを選ぶ

アパートのゴミ捨て場を選ぶ際には、物件の条件(気候や周辺環境など)に適したタイプを選ぶことが重要です。代表的なアパートのゴミ捨て場のタイプは、以下の3つがあります。

タイプ

特徴

囲いタイプ

・ブロックなどでゴミ置き場を囲ったもの  
・施工が簡単で費用がかからない一方、ゴミが散乱したり悪臭が発生しやすい

小屋(棚置き)タイプ

・屋根と扉のある簡易な小屋にゴミを置くもの
・ゴミは散らかりにくいが、ネットの設置などの対策をしないとカラスに突かれやすい

ボックスタイプ

・耐久性のある金属などでできた気密性の高い形状のもの
・ゴミの散乱や悪臭を防ぎやす

たとえば温暖な地域では、通気性の良い小屋タイプや、気密性の高いボックスタイプを選ぶことで、ゴミの臭いを抑えやすくなるでしょう。また、海沿いのエリアでは、防サビ性に優れた素材のゴミ置き場を選ぶことも重要です。

ネットや鍵などでカラス対策を行う

カラスによるゴミ荒らしは、アパートのゴミ捨て場でよく見られる問題のひとつ。これを解決する有効な対策には、「カラスネットを設置する」と「扉付きのゴミ捨て場を用意する」があります。

まず、「ゴミ捨て場にネットを設置する」については、専用のカラスネットは網目が細かく、くちばしの侵入を防ぐ効果があります。

また、「扉付きのゴミ捨て場を用意する」では、収集日以外の日は鍵をかけておくことで、カラスだけでなく他の動物によるゴミの散乱も防げる効果が期待できるでしょう。

自治体のルールを入居者に周知する(時間や曜日、分別など)

アパートのゴミ捨て場を設置した後には、各自治体が定めるゴミ出しのルールを入居者に周知することも重要です。入居者にゴミ出しのルールを周知させるには、以下の方法があります。

  • 自治体で発行するゴミ収集のカレンダーを配布する
  • 入居者にゴミ出しの情報をまとめたチラシを配布する
  • 入居時にゴミの分別方法について対面で解説する
  • 自治体の最新情報を入居者に通知するシステムを整備する

とくに、大学や専門学校などに入学される方や初めて一人暮らしをする入居者に対しては、分別やゴミ出しのルールを丁寧に説明するのが良いでしょう。

アパートのゴミ捨て場に関するトラブルとその対策

入居者に説明する管理会社社員

アパートのゴミ捨てのトラブルは、入居者満足度を低下させ、空室率が上昇する原因となります。また、内見者が賃貸物件を訪れた際にゴミが散乱していたり、悪臭がしたりすれば、契約率の低下につながりかねません。

ここでは、アパートのゴミ捨て場に関するトラブルとその対策について確認していきましょう。

入居者がゴミ出しのマナーを守らない

入居者が『ゴミ出しのマナーを守らない』という問題は、多くの管理会社やオーナーを悩ませます。マナー違反が頻繁に起きる原因として考えられるのは、入居者のゴミ出しに対する意識不足でしょう。その改善策の例は、以下の通りです。

  • 賃貸契約締結時にゴミ出しのルールを丁寧に説明する
  • ルールが守られない場合は、掲示板やメールで注意を促す
  • 改善が見られない場合は、ゴミの開封や防犯カメラで違反者を特定する
  • ルールの違反者が特定された場合は、文書で改善を促す

ただし、ゴミの開封はプライバシーを侵害する恐れもあるため、慎重に実行することが重要です。マナー違反が悪質でどうしても改善されない場合、契約解除も視野に入ってくるかもしれません。

アパートの住民以外が不法投棄を行う

アパートのゴミ捨て場では、住民以外による不法投棄も代表的なトラブルの一つです。不法行為は、ゴミ捨て場の容量を圧迫し、住民が適切にゴミを捨てられずに汚い環境になる原因となります。以下の対策で改善しましょう。

  •   防犯カメラを設置する
  •   ゴミ捨て場に扉や鍵を設置する
  •   住民以外のゴミ捨てを禁止する看板を設置する

前述の「防犯カメラを設置する」の項で、アパートのゴミ捨て場にダミーカメラの設置をオススメしました。しかし、不法投棄のトラブルを防ぐなら、発生する前に録画のできる防犯カメラを設置するのが望ましいでしょう。録画された映像は証拠となるため、自治体や警察との連携がしやすくなります。

なお、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」では、以下の罰則が規定されています。

個人の不法投棄
(同法25条)
5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金またはその両方が科せられる


法人の不法投棄
(同法32条)
3億円以下の罰金刑が科せられる

​​​​​​​退去時に粗大ゴミが投棄される

入居者が退去する際、粗大ゴミが投棄される問題は、賃貸管理でよく見られるトラブルの一つです。不要になった家具や電化製品などの粗大ゴミをそのままゴミ捨て場に放置してしまうケースが多く、管理会社やオーナーが頭を悩ませます。

粗大ゴミ投棄の対策をする場合は、まず、対象となる自治体で粗大ゴミについてどのように定義しているかを確認しましょう。たとえば、以下のように、粗大ゴミの定義は各自治体で異なります。

大型家具(ベッド・机・タンスなど)・自転車・6畳以上のじゅうたんなど
(重量がおおむね10キログラム以上100キログラム以下のもの、辺または径がおおむね2メートル以下のもの)

粗大ごみとは家庭から出る一辺の長さが30センチメートル四方を超えるものです。

粗大ごみとは、家具や家電製品などで、指定袋に入らない大きさの物です。

粗大ゴミの定義を確認したうえで、退去を間近に控えた入居者に対し、以下の対策を実行してみましょう。

  • チラシやアプリで粗大ゴミの投棄禁止を訴求する
  • 自治体の粗大ゴミ回収サービスの内容を紹介する
  • 近隣のリサイクルショップを案内する

​​​​​​​

管理の行き届いたゴミ捨て場は、アパートの空室対策になる!

清潔なゴミ捨て場

ゴミ捨て場の適切な設置や管理は、アパートの管理業務において軽視できないポイントです。掃除が行き届き、マナーの周知徹底やカラス・臭い対策などの細やかな配慮のあるゴミ捨て場は、トラブルが少なく、入居者満足度の向上に直結します。

また、清潔感のあるゴミ捨て場は、内見で訪れた見込み顧客に好印象を与えることも少なくありません。空室対策として、今一度ゴミ捨て場の環境を見直すことが、管理会社やオーナーにとって重要な施策と言えるでしょう。

不動産会社にとって重要なのが集客です。物件検索サイト「不動産連合隊」は、地域密着のネットワークと高い集客力で、物件の認知度向上や問い合わせ数の増加に貢献します。さらに、自社サイトとの連携や、購入・契約意欲の高いユーザー層へのアプローチ強化も可能です。  
  
これからの時代は、良いサービスを持っているだけでなく、「選ばれる仕組み」を持つことが重要です。管理と集客の両立を目指すなら、ぜひ「不動産連合隊」のサポートをご検討ください。

よくある質問|アパートのゴミ捨て場の疑問を解決!

賃貸物件のゴミ捨て場の管理のポイントは?

アパートのゴミ捨て場を適切に管理するには、清潔さを保つことが第一です。そのためには掃除を徹底したうえで入居者に対して、ゴミの分別や捨て方のルールを啓蒙しましょう。掲示板やチラシ、アプリなどを活用して情報発信すると、入居者がルールを理解しやすくなります。また、ゴミ置き場の状況に合わせて、防犯カメラやカラスネットを設置することも重要です。

入居者のゴミ出しトラブルへの正しい対応は?

入居者がゴミ出しのルールを守らない原因の1つは、入居者の意識不足です。これを改善するには、入居者にゴミ出しのルールを丁寧に説明し、ルールが守られない場合は、掲示板やメールで注意を促すのが有効でしょう。また、どうしてもルールを守らない入居者がいる場合は、文書を送付する、直接訪問するなどの方法で改善を促すことも重要です。

退去時の粗大ゴミ投棄を防ぐ方法は?

粗大ゴミの投棄を防ぐには、退去を間近に控えた入居者に対し、適切なアプローチをすることが重要です。たとえば、チラシやアプリで粗大ゴミの投棄禁止を啓蒙したり、自治体や近隣のリサイクルショップの粗大ゴミ引き取りサービスを紹介したりするのも有効でしょう。

自治会のゴミ捨て場を利用する際は、自治会の会費を納めるべき?

「アパートの敷地面積が狭い」などの理由で、自治会が管理・所有するゴミ捨て場を利用することもあります。法律的には自治会への加入義務はありません。ただし、入居者が自治会に未加入で、自治会が所有するゴミ捨て場を無断で使用すると、所有権侵害の恐れがあります。以上のことから、アパートの入居者が自治会のゴミ捨てを利用する際は、会費を納めるのが望ましいでしょう。

ラルズネット編集部
ラルズネット編集部
連合隊を盛り上げるべく結成した不動産専門ライターチームです。不動産会社様のお役に立つ情報を発信していきます!
メールマガジン 登録はこちら

人気コラムランキング

 

カテゴリから記事を探す

連合隊との物件同時掲載もラクチン! 不動産×WEBのプロが監修!御社に最適なプランから選べるホームページ制作 サービス詳細へ