居住用不動産(戸建て・マンション)の最新相場動向をエリア別に紹介
全国的に居住用不動産(戸建て・マンション)の価格が上昇傾向にあります。とくにマンション価格の上昇が顕著です。今回は直近5年間(2018~2023年)の不動産価格指数や取引件数を、各エリアごとに分析した結果を紹介します。不動産価格の動向や市場の特徴を把握して、今後の展開や投資判断に役立ててみてください。
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【全国】戸建て・マンションの価格や取引件数の推移
まずは全国的な動向を、不動産価格指数(2010年を基準値100とした不動産価格の変化を表す指標)を基準に見てみましょう。以下は直近5年間(2018〜2023年)における、住宅全体・戸建て・マンション価格の変化です。
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マンション価格の上昇が、住宅全体の価格を大きく押し上げていることがわかります。一方で取引件数も全国的に増加傾向にあり、戸建ては114.2%、マンションは108.5%の伸びを記録しています。なお取引件数の割合は、戸建てが49%でマンションが51%と約半分です。
【地方】戸建て・マンション価格と取引件数
不動産価格や取引件数は各エリアごとに異なるため、それぞれの特徴を知っておくと良いでしょう。今回は北海道・関東・関西・九州エリアに分けて、不動産価格と取引件数の動向を紹介します。
【北海道エリア】マンションの価格上昇が顕著
北海道エリアでは、以下のようにマンション価格が上昇しています。
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北海道エリアにおける不動産価格上昇の背景には、インバウンド需要の増加や企業誘致などが挙げられます。一方で取引件数は戸建てのほうが多く、戸建てが70%でマンションが30%です。
【関東エリア】マンションが市場をリード
関東エリアでも、マンションが市場全体を押し上げています。
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リモートワークが普及した影響で「広い家を求めるニーズ」が高まり、戸建ての取引件数が増加しています。とくにコロナ禍での1年間は、取引件数が1万件以上増加した年もありました。関東全体の取引件数割合は、戸建てが34%でマンションが66%です。
【関西エリア】マンションの伸び率が順調
関西エリアにおいても、とくにマンションの価格上昇が顕著です。
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取引件数の割合は、戸建てが47%でマンションが53%です。不動産価格も取引件数も全体的に増加しており、住宅市場の堅調さがわかります。
【九州エリア】マンション価格は横ばい
九州エリアではマンション価格が横ばいで、他のエリアとは異なります。
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部分的な数値だけ見れば微減しているものの、住宅全体を見れば伸びていることから、実質的には横ばいといえるでしょう。取引件数の割合は、戸建てが59%でマンションが41%です。
居住用不動産の相場はマンション価格の上昇が牽引
今回の分析で明らかになったのは、全国的にマンション価格が上昇し、市場全体を押し上げていることです。一方で戸建て市場もコロナ禍以降の需要増加により取引件数が伸びており、とくに関東や関西での動向が注目されます。
また、地域による特徴が明確に現れており、エリアごとの市場特性を理解することが重要です。北海道では上昇幅が大きいマンション価格でも、九州で見れば横ばい傾向になっています。このような地域ごとの動向にも注目して、今後の営業活動や情報提供に活用してみてください。