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不動産開業に必須・役立つ資格11選と費用!取得ポイントも解説

不動産開業をする際に「どんな資格が必要なんだろう?」と、疑問に思っている人がいるのではないでしょうか。

不動産開業に必須の資格だけではなく、役立つ資格も取得することで業務の幅が広がります。それぞれの資格に関して理解を深め、必要に応じて取得し併用することが重要です。

今回は不動産開業に必須・役立つ資格11選の詳細と、取得する際のポイントを紹介します。他社との差別化につながり売上アップに貢献してくれるため、ぜひ参考にしてみてください。

目次[非表示]

  1. 1.不動産開業に必須の資格「宅地建物取引士」
    1. 1.1.宅地建物取引士が必須の理由
    2. 1.2.宅地建物取引士の試験概要
    3. 1.3.宅地建物取引士の取得費用
    4. 1.4.合格後の注意点
  2. 2.宅建士以外で不動産開業に役立つ10の資格
    1. 2.1.マンション管理士
      1. 2.1.1.マンション管理士が役立つ理由
      2. 2.1.2.マンション管理士の試験概要
      3. 2.1.3.マンション管理士の取得費用 
    2. 2.2.管理業務主任者
      1. 2.2.1.管理業務主任者が役立つ理由
      2. 2.2.2.管理業務主任者の試験概要
      3. 2.2.3.管理業務主任者の取得費用 
    3. 2.3.賃貸不動産経営管理士
      1. 2.3.1.賃貸不動産経営管理士が役立つ理由
      2. 2.3.2.賃貸不動産経営管理士の試験概要
      3. 2.3.3.賃貸不動産経営管理士の取得費用
    4. 2.4.不動産鑑定士
      1. 2.4.1.不動産鑑定士が役立つ理由
      2. 2.4.2.不動産鑑定士の試験概要
      3. 2.4.3.不動産鑑定士の取得費用
    5. 2.5.土地家屋調査士
      1. 2.5.1.土地家屋調査士が役立つ理由
      2. 2.5.2.土地家屋調査士の試験概要
      3. 2.5.3.土地家屋調査士の取得費用
    6. 2.6.不動産コンサルティングマスター
      1. 2.6.1.不動産コンサルティングマスターが役立つ理由
      2. 2.6.2.不動産コンサルティングマスターの試験概要
      3. 2.6.3.不動産コンサルティングマスターの取得費用
    7. 2.7.任意売却取扱主任者
      1. 2.7.1.任意売却取扱主任者が役立つ理由
      2. 2.7.2.任意売却取扱主任者の試験概要
      3. 2.7.3.任意売却取扱主任者の取得費用
    8. 2.8.ファイナンシャルプランナー
      1. 2.8.1.ファイナンシャルプランナーが役立つ理由
      2. 2.8.2.ファイナンシャルプランナーの試験概要
      3. 2.8.3.ファイナンシャルプランナーの取得費用
    9. 2.9.インテリアコーディネーター
      1. 2.9.1.インテリアコーディネーターが役立つ理由
      2. 2.9.2.インテリアコーディネーターの試験概要
      3. 2.9.3.インテリアコーディネーターの取得費用
    10. 2.10.住宅ローンアドバイザー
      1. 2.10.1.住宅ローンアドバイザーが役立つ理由
      2. 2.10.2.住宅ローンアドバイザーの試験概要
      3. 2.10.3.住宅ローンアドバイザーの取得費用
  3. 3.資格を取得する際のポイント
    1. 3.1.王道は不動産資格四冠の取得
    2. 3.2.業態に適した資格を選ぶ
    3. 3.3.独学が難しければ講座を受講する
    4. 3.4.資格は取得してからが本番
  4. 4.資格を取得して不動産開業を成功させよう

不動産開業に必須の資格「宅地建物取引士」

不動産開業に必須の資格「宅地建物取引士」

不動産開業を1人で行う場合は、「宅地建物取引士(以後、宅建士)」の国家資格が必須です。宅建士が必須の理由や試験概要、取得費用を解説するので参考にしてみてください。

宅地建物取引士が必須の理由

1人で不動産開業する場合は、宅建士の資格が必須です。不動産会社が事務所を設置する場合は「5人に1人の割合で専任の宅建士を設置しなければいけない」という義務があります。

また契約に必要な独占業務である「重要事項説明・35条(重要事項説明書)書面への記名・37条(売買契約書等)書面への記名」は、宅建士にしか行えません

宅地建物取引士の試験概要

宅建士の試験概要は、以下のとおりです。

受験資格

原則、誰でも受験可能

試験日

10月 第3日曜日

試験会場

47都道府県

試験時間

13時~15時(登録講習修了者は13時10分~15時)

合格発表日

11月下旬

合格率

15~17%

合格点の目安

35点前後

免除制度の有無

あり(登録講習修了者は5問免除)

試験概要の詳細

宅地建物取引士の取得費用

宅建士の主な取得費用は、以下のとおりです。

受験手数料

8,200円

資格登録手数料

37,000円

宅建士証交付手数料

4,500円

登録実務講習受講料(実務経験2年未満の場合)

約20,000円

合格後の注意点

宅建試験に合格した後は、以下の点に注意しましょう。

  • 試験合格後に宅建士としての登録が必要
  • 試験合格後1年以内に登録しなければ、法定講習の受講が必要
  • 実務経験2年未満の場合は登録できないため、登録実務講習の受講が必要

試験に合格しただけでは宅建士になれないため、合格後は必要に応じて登録をしておきましょう。2年以上の実務経験がなくても、登録実務講習を受講すれば登録できるようになります。試験合格後から宅建士になるまでの、流れや条件も把握しておきましょう。

宅建士以外で不動産開業に役立つ10の資格

不動産開業に役立つ資格10選

宅建士以外で、 不動産開業に役立つ資格は以下の10種類です。

  • マンション管理士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士
  • 不動産鑑定士
  • 土地家屋調査士
  • 不動産コンサルティングマスター
  • 任意売却取扱主任者
  • ファイナンシャルプランナー
  • インテリアコーディネーター
  • 住宅ローンアドバイザー

宅建士と併用して取得することで、不動産開業後に業務の幅が広がるでしょう。結果的に売上アップにも貢献してくれるため、各資格の取得を検討してみてください。

マンション管理士

マンション管理士は、マンション管理の専門家として適切なサポートが行える資格者です。マンションの管理・維持だけではなく、管理組合や区分所有者からの意見を聞き、より良い居住環境になるよう適切なアドバイスも行います。

マンション管理士が役立つ理由

自社や他社物件でマンションを扱う場合は、マンション管理士の資格が役立つでしょう。マンション管理の専門家として管理組合との調整がスムーズに進んだり、区分所有者や顧客に対して管理状況や維持費などのアドバイスができたりします

とくに中古マンションの場合は、設備の老朽化や修繕積立金が高くなるなど中古ならではのリスクを意識しなければいけません。このようなリスクを理解していなければ、トラブルに発展する可能性があります。マンション管理士であれば、専門知識を活かして適切な対処が行えるでしょう。

マンション管理士の試験概要

マンション管理士の試験概要は、以下のとおりです。

受験資格

原則、誰でも受験可能

試験日

11月 最終日曜日

試験会場

札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡・那覇など

試験時間

13時~15時

合格発表日

1月上旬

合格率

10%前後

合格点の目安

36点前後

免除制度の有無

あり(管理業務主任者試験の合格者または

平成14年4月までに行われた移行講習修了者は5問免除)

試験概要の詳細

マンション管理士の取得費用 

マンション管理士の主な取得費用は、以下のとおりです。

受験手数料

9,400円

登録手数料

4,250円

登録免許税

9,000円

管理業務主任者

管理業務主任者

管理業務主任者はマンション管理の専門家であり、宅建士同様に独占業務が行える資格者です。管理組合等に対して管理事務の報告を行ったり、管理委託業務に関する重要事項の説明を行ったりします。マンション管理士とは少し毛色の違う資格です。

管理業務主任者が役立つ理由

不動産の賃貸や売買のみならずマンション管理業まで行う場合は、管理業務主任者の資格が役に立ちます。マンション管理業を行う場合は、管理事務の委託を受けた管理組合30組合につき1人以上の割合で、事務所ごとに専任の管理業務主任者を設置しなければいけません

近年はマンションの高経年化が問題視されています。マンション管理の需要が増えていることから、管理業務主任者の需要が見込めるでしょう。なお管理業務主任者は、独占業務である「管理受託契約に関する重要事項説明・重要事項説明書および管理受託契約書への記名・管理事務に関する報告」が行えます

管理業務主任者の試験概要

管理業務主任者の試験概要は、以下のとおりです。

受験資格

原則、誰でも受験可能

試験日

12月 第1日曜日

試験会場

北海道・宮城県・東京都・愛知県・大阪府・広島県・福岡県・沖縄県など

試験時間

13時~15時(マンション管理士試験の合格者は13時10分~15時)

合格発表日

1月上旬

合格率

20%前後

合格点の目安

35点前後

免除制度の有無

あり(マンション管理士試験の合格者は5問免除)

試験概要の詳細

管理業務主任者の取得費用 

管理業務主任者の主な取得費用は、以下のとおりです。

受験手数料

8,900

登録手数料
4,250円

登録実務講習(実務経験2年未満の場合)

約15,000~20,000円

賃貸不動産経営管理士

賃貸不動産経営管理士は、賃貸物件の管理に関する専門知識を有する資格者です。賃貸物件の管理・運営やアドバイスを行ったり、管理に関する重要事項説明や契約書への署名などを行ったりします。

賃貸不動産経営管理士が役立つ理由

賃貸物件を多く取り扱っているのであれば、賃貸物件の管理に精通した賃貸不動産経営管理士が役に立つでしょう。賃貸物件の戸数が200戸以上の場合は、賃貸不動産経営管理士の資格が必要です。

賃貸不動産経営管理士を取得すれば、賃貸物件の管理に関する管理受託契約や賃貸物件の維持保全、金銭管理、賃貸借などの幅広い知識が身に付きます。また賃貸物件の管理に関する重要事項説明や契約書への署名なども行えるため、必要に応じて取得しておきましょう。

賃貸不動産経営管理士の試験概要

賃貸不動産経営管理士の試験概要は、以下のとおりです。

受験資格

原則、誰でも受験可能

試験日

11月 第3日曜日

試験会場

全国38地域

試験時間

13時~15時

合格発表日

12月下旬

合格率

30%前後

合格点の目安

35点前後

免除制度の有無

あり(賃貸不動産経営管理士講習の終了者は5問免除)

試験概要の詳細

賃貸不動産経営管理士の取得費用

賃貸不動産経営管理士の主な取得費用は、以下のとおりです。

受験手数料

12,000

登録手数料

6,600

登録実務講習(実務経験2年未満の場合)
20,000円

不動産鑑定士

不動産鑑定士

不動産鑑定士は、不動産の適正な価値を鑑定できる資格者です。不動産系資格の中では取得が最も難関であり、非常に専門性の高い資格となっています。不動産鑑定士ならではの独占業務やコンサルティングなどが行えるため、独立しやすい資格といえるでしょう。

不動産鑑定士が役立つ理由

不動産鑑定士を取得することで、土地や建物の適正な価格を鑑定することが可能です。不動産会社でも「原価法・取引事例比較法・収益還元法」といった3つの鑑定評価方式を用いて、不動産の価格査定を行っています。

しかし不動産鑑定士は、より厳格で精密な不動産鑑定評価を行うことが可能です。また「不動産鑑定評価書の作成」という独占業務が行えます。宅建士の他に不動産鑑定士も取得することで信頼性が高くなったり、業務の幅が広がって依頼数が増えたりするでしょう。

不動産鑑定士の試験概要

不動産鑑定士の試験概要は、以下のとおりです。

受験資格

原則、誰でも受験可能

試験日

短答式試験:5月下旬  
論文式試験:8月上旬の3日間

試験会場

短答式試験:札幌・仙台・東京都特別区・新潟・名古屋・大阪・広島・
      高松・福岡・那覇

論文式試験:東京都特別区・大阪・福岡

試験時間

午前:10時~12時  
午後:13時30分~15時30分

合格発表日

短答式試験:6月下旬  
論文式試験:10月下旬

合格率

短答式試験:32%~36%  
論文式試験:14%~17%前後

合格点の目安

短答式試験:140点前後  
論文式試験:360点前後

免除制度の有無

あり  
(短答式試験:一昨年・去年の短答式試験合格者かつ免除申請をした者  
 論文式試験:民放の場合 司法修習生となる資格

[高等試験司法科試験の合格を除く。]を得た者等)

試験概要の詳細

不動産鑑定士の取得費用

不動産鑑定士の主な取得費用は、以下のとおりです。

受験手数料

書面申請:13,000円  
電子申請:12,800円  

登録免許税

法人:9万円/件  
個人:6万2,800円/件

土地家屋調査士

土地家屋調査士は、土地や建物の調査・測量・図面作成・登記申請などを行う資格者です。不動産の状況を登記する際は、土地や建物の調査や測量を正確に行う必要があります。土地家屋調査士であれば不動産の状況を正確に登記申請できるため、取引を安全に行えるようになるでしょう。

土地家屋調査士が役立つ理由

不動産所有者が建築や用途変更などを行う際は、不動産の表示に関する登記申請を行わなければいけません。ただし不動産の表示に関する登記手続きは複雑なため、専門家でなければスムーズに進まない可能性があります。

一般の不動産所有者が正確な登記申請を行うのは困難なため、専門家である土地家屋調査士に代理申請することが一般的です。また土地家屋調査士は「表題部(不動産の情報)への代理登記・筆界特定(曖昧な土地の境界を特定する)」も行えることから、役立つ資格といえるでしょう。

土地家屋調査士の試験概要

土地家屋調査士の試験概要は、以下のとおりです。

受験資格

原則、誰でも受験可能

試験日

筆記試験:10月下旬  
口述試験:1月下旬

試験会場

筆記試験:札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・那覇  
口述試験:札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・高松・福岡

(筆記試験を那覇で受験した場合の口述試験は福岡で実施)

試験時間

午前:9時30分~11時30分  
午後:13時~15時30分

合格発表日

筆記試験:1月上旬  
口述試験:2月中旬

合格率

9%前後

合格点の目安

筆記試験:71点~81点

免除制度の有無

あり(一級・二級建築士、測量士、測量士補佐は午前の部が免除)

試験概要の詳細

土地家屋調査士の取得費用

土地家屋調査士の主な取得費用は、以下のとおりです。

受験手数料

8,300円

登録免許税

30,000円

登録手数料

25,000円

入会金

50,000円

表札代

20,020円

会館建設負担金(登録済後)

100,000円

県会費

12,000円/月

支部会費

要確認

不動産コンサルティングマスター

不動産コンサルティングマスター

不動産コンサルティングマスターは、一定以上の不動産に関する幅広い知識や技能を活かしてコンサルティングが行える資格者です。民間資格ながらも取得の難易度は高く、宅建士・不動産鑑定士・一級建築士の資格登録者しか受験できません。

また登録時は、3つの資格に関する「実務経験5年以上」または「実務経験3年以上〜5年未満の場合はセンター指定の講習の修了」が必要になります。日本において、唯一の不動産コンサルティング資格です。

不動産コンサルティングマスターが役立つ理由

不動産コンサルティングマスターは、不動産に関する幅広い知識と技能(売買・賃貸借・不動産の有効活用・不動産投資・相続など)のコンサルティングが行えます。不動産コンサルティングマスターで得られる相続や資産運用などの知識と、宅建士が行える独占業務や知識を活かすことで総合的なアドバイスが可能になるでしょう。

また宅建士と不動産コンサルティングマスターを併用することで、より高度な不動産の専門家であることをアピールできます。とくに投資家や資産家など、資産形成に興味のある顧客に対して有効です。宅建士と不動産コンサルティングマスターを活かせば、業務の幅が広がるだけではなく信頼性の向上にもつながります。

不動産コンサルティングマスターの試験概要

不動産コンサルティングマスターの試験概要は、以下のとおりです。

受験資格

宅建士・不動産鑑定士・一級建築士の資格登録者

試験日

11月上旬

試験会場

札幌・仙台・東京・横浜・静岡・金沢・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・沖縄

試験時間

午前:10時30分~12時30分  
午後:14時~16時

合格発表日

1月上旬

合格率

40%前後

合格点の目安

120点前後

免除制度の有無

なし

試験概要の詳細

不動産コンサルティングマスターの取得費用

不動産コンサルティングマスターの主な取得費用は、以下のとおりです。

受験手数料

31,500円

登録手数料

19,000円

審査手数料(審査後に登録できなかった場合)

1,900円

登録講習(実務経験3年以上5年未満の場合)

55,000円 or 56,500円

任意売却取扱主任者

任意売却取扱主任者は、住宅ローン等の返済が不能になった不動産の任意売却をサポートする資格者です。任意売却を行うことで債権者と相談しながら所有する不動産を売却して、売却した代金で住宅ローン等の返済に充てられます。任意売却取扱主任者は、債務者と債権者の良き仲介役です。

任意売却取扱主任者が役立つ理由

任意売却取扱主任者と宅建士を併用すれば、より業務の幅が広がります。コロナ禍前と比べると任意売却の相談件数は約1.5倍に増えており、一定数の需要が見込まれるでしょう。宅建士の業務と任意売却取扱主任者の業務により専門性が高くなり、他の宅建士との差別化にもつながります。

また宅建士であれば、任意売却後の再出発に向けた住居探しのサポートも行えるでしょう。賃貸や住宅の再購入などのアドバイスから契約まで行えるため、任意売却取扱主任者との相性は良いといえます。

任意売却取扱主任者の試験概要

任意売却取扱主任者の試験概要は、以下のとおりです。

受験資格

原則、誰でも受験可能

試験日

2月中旬

試験会場

札幌・新宿・大阪・福岡

試験時間

13時~15時

合格発表日

3月中旬

合格率

40%前後

合格点の目安

総得点の60%以上かつ択一・記述問題それぞれの50%以上

免除制度の有無

不明

試験概要の詳細

任意売却取扱主任者の取得費用

任意売却取扱主任者の主な取得費用は、以下のとおりです。

受験手数料

16,500円

指定講習

55,000円

ファイナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナーは、不動産・相続・税金・資産運用・社会保障などお金に関わる幅広い知識を持っている資格者です。資格は1~3級まであり、2級以上を取得すれば現場で役立つでしょう。お金の専門家として心強い味方になってくれます。

ファイナンシャルプランナーが役立つ理由

ファイナンシャルプランナーは宅建士と相性が良いといえます。大きなお金が動く不動産取引を考えている顧客は、住宅ローンや税金などのお金に関する悩みが付きものです。ファイナンシャルプランナーを併用すれば、不動産購入前の資金調達や購入後の支払い計画を最適化したり、将来的なライフプランのアドバイスをしたりできます

不動産とお金に関するアドバイスを総合的に行えるのは、宅建士とファイナンシャルプランナー併用の強みです。宅建士として不動産のサポートをしつつ、ファイナンシャルプランナーとしてお金に関するサポートを行えることは、契約を獲得するための武器になるでしょう。

ファイナンシャルプランナーの試験概要

ファイナンシャルプランナーの試験概要は、以下のとおりです。

受験資格

3級:原則、誰でも受験可能(FP業務従事者や従事する予定の者)  
2級:3級FP技能検定合格者・FP業務で2年以上の実務経験がある者 等  
1級:【学科】2級FP技能検定合格者かつ FP業務に関して1年以上の
     実務経験を持つ者 等  
    【実技】1級FP技能検定合格者・日本FP協会認定のCFP認定者 等

試験日

3級:毎月(休止期間を除く)  
2級:毎月(2025年度より)   
1級:【学科】5月下旬・9月上旬・1月下旬   
    【実技】6月上旬~中旬・9月下旬・2月上旬~中旬

試験会場

3級・2級: 47都道府県  
1級:札幌・仙台・宇都宮・東京・新潟・金沢・静岡・

    名古屋・大阪・広島・高松・福岡・熊本・那覇  

試験時間

3級:【学科】10時~11時30分  
    【実技】13時30分~14時30分  
2級:【学科】10時~12時  
    【実技】13時30分~15時  
1級:【学科】基礎編 10時~12時30分  
       応用編 13時30分~16時  
    【実技】日本FP協会:13時30分~15時30分  
      金融財政事情研究会:約半日

合格発表日

3級:毎月中旬  
2級:毎月中旬(2025年度より)  
1級:【学科】6月下旬 10月下旬 3月上旬  
    【実技】7月中旬 10月下旬 3月中旬

合格率

3級:【学科・実技】40~80%前後  
2級:【学科】13~60%前後  
    【実技】40~60%前後  
1級:【学科】3~16%前後  
    【実技】80~90%前後

合格点の目安

3級:【学科】36点以上  
    【実技】日本FP協会:60点以上  
       金融財政事情研究会:30点以上  
2級:【学科】36点以上  
    【実技】60点以上  
1級:【学科・実技】あわせて120点以上

免除制度の有無

あり(同じ級の学科試験・実技試験を翌々年度まで免除等)

試験概要の詳細

ファイナンシャルプランナーの取得費用

ファイナンシャルプランナーの主な取得費用は、以下のとおりです。

受験手数料

3級:8,000円(学科:4,000円 実技:4,000円)  
2級:11,700円(学科:5,700円 実技:6,000円)  
1級:8,900~36,900円(学科:8,900円 実技:20,000~28,000円)

インテリアコーディネーター

インテリアコーディネーターは、住居や店舗などの内装デザインを専門家として提案する資格者です。家具・照明・カーテンなどの選定や配置、色、素材を考慮して、より良い空間を作り上げてくれるでしょう。新居への引っ越しやリフォーム、店舗の内装設計などを行う際に活躍してくれます。

インテリアコーディネーターが役立つ理由

宅建士とインテリアコーディネーターを併用することで、住居の提案や契約などから室内の空間プロデュースまで一貫して提案できます。顧客が住居を探している時から、インテリアコーディネーターとしての知識や経験を活かして、満足度の高い提案ができるでしょう。

住居を契約する前から、顧客が理想とするイメージを持ってもらいやすくなります。インテリアコーディネーターとして契約前から顧客の満足度を高めつつ、宅建士として住居探しのサポートができれば成約率が高くなるでしょう。

インテリアコーディネーターの試験概要

インテリアコーディネーターの試験概要は、以下のとおりです。

受験資格

誰でも受験可能

試験日

一次試験:9月中旬~10月中旬の1か月間  
二次試験 :12月上旬

試験会場

一次試験 :47都道府県  
二次試験 :北海道・岩手県・宮城県・群馬県・東京都・愛知県・

   石川県・大阪府・広島県・香川県・福岡県・沖縄県

試験時間

一次試験:120分  
二次試験:12時30分~15時30分

合格発表日

一次試験:11月中旬  
二次試験:2月中旬

合格率

24%前後

合格点の目安

不明

免除制度の有無

あり(一次試験のみの合格者:次年度3年間、一次試験免除 )

試験概要の詳細

インテリアコーディネーターの取得費用

インテリアコーディネーターの主な取得費用は、以下のとおりです。

受験手数料

基本タイプ(同一年内に一次と二次を受ける場合):14,850円  
一次試験〈先取り〉タイプ(一次のみ受ける場合):11,550円

初回登録料

14,300円

住宅ローンアドバイザー

住宅ローンアドバイザー

住宅ローンアドバイザーは、住宅ローンの専門家として顧客に適切なアドバイスをする資格者です。不動産の購入時には住宅ローンを活用する人が多いことから、一定の需要が見込まれるでしょう。住宅ローンアドバイザーは取得の難易度が低めなので、チャレンジしやすい資格といえます。

住宅ローンアドバイザーが役立つ理由

住宅ローンアドバイザーと宅建士を併用すれば、不動産売買が行いやすくなるでしょう。顧客が不動産を購入する時の悩みとして挙げられるのは、住宅ローンの金利や支払額などです。住宅ローンアドバイザーであれば、顧客の経済状況に合わせた住宅ローンや返済計画のアドバイスが行えます

住宅ローンアドバイザーとして顧客が抱える住宅ローンへの不安を取り除き、宅建士として不動産に関する手続きを行うことで、不動産売買がスムーズに進むでしょう。結果的に不動産売買の成約率アップに貢献してくれます。

住宅ローンアドバイザーの試験概要

住宅ローンアドバイザーの試験概要は、以下のとおりです。

受験資格

誰でも受験可能

試験日

第一回:7月下旬  
第二回:12月上旬

試験会場

全国約40会場

試験時間

基本編:45分  
応用編:50分

合格発表日

第一回:8月下旬  
第二回:1月下旬

合格率

80%以上

合格点の目安

29問以上かつ計算問題6問以上

免除制度の有無

あり(応用編の効果測定の不合格者は、

   基礎編および応用編の講座受講が免除)

試験概要の詳細

※試験概要は住宅金融普及協会の場合
※住宅ローンアドバイザーは、講座の受講後に受ける効果測定に合格することで取得可能

住宅ローンアドバイザーの取得費用

住宅ローンアドバイザーの主な取得費用は、以下のとおりです。

受講料

Aコース(Web):23,100円  
Bコース(会場):27,500円

登録料

11,000円​​​​

住宅金融普及協会の場合

資格を取得する際のポイント

資格を取得する際のポイントは、以下の4つです。

  • 不動産資格四冠の取得を目指す
  • 業態に適した資格の選択
  • 独学に限界を感じたら講座を受講する
  • 資格は取得してからが本番

4つのポイントを意識することで、他社との差別化につながったり、資格を効率良く取得できたりするでしょう。ぜひ参考にしてみてください。

王道は不動産資格四冠の取得

王道は不動産資格四冠の取得

不動産開業するにあたって「不動産資格四冠(宅建士・マンション管理士・管理業務主任者・賃貸不動産経営管理士)」を、取得すると有利になります。それぞれの特徴は以下のとおりです。

資格名

主な特徴

宅建士

1人で不動産を開業する際に必須。宅建士の独占業務(重要事項説明書の説明、35条・37条書面への記入)が行える

マンション

管理士

マンションを扱う際は取得しておくと有利(状況次第で設置義務あり)。マンションの維持・管理のコンサルティングが行える

管理業務

主任者

マンションを扱う際に役立つ。管理業務主任者の独占業務(管理受託契約の重要事項説明等)が行える

賃貸不動産経営管理士

アパートやマンションといった賃貸不動産の管理業務を行う際に役立つ(200戸以上で設置義務あり)。賃貸不動産管理に関する業務が行える

4つの国家資格を取得することで業務の幅が広がります。また顧客からの信頼を得やすくなるため、状況に応じて取得することを検討してみてください。

業態に適した資格を選ぶ

業態に適した資格を選ぶことで、効率良く取得していけるでしょう。不動産業には、以下のように大きく分けて4つの業態があります。

業態

主な特徴と適した資格

宅建士
1人で不動産を開業する際に必須。宅建士の独占業務(重要事項説明書の説明、35条・37条書面への記入)が行える
マンション
管理士
マンションを扱う際は取得しておくと有利(状況次第で設置義務あり)。マンションの維持・管理のコンサルティングが行える
管理業務

主任者

マンションを扱う際に役立つ。管理業務主任者の独占業務(管理受託契約の重要事項説明等)が行える
賃貸不動産経営管理士
アパートやマンションといった賃貸不動産の管理業務を行う際に役立つ(200戸以上で設置義務あり)。賃貸不動産管理に関する業務が行える

ほとんどの業態で宅建士は役立つものの、不動産管理業だけを行うのであれば必要ありません。また不動産賃貸業でも「自社物件の賃貸(大家業)」を行う際は、宅建士等の資格が不要です。このように業態によって適した資格が異なるため、事前に確認しておきましょう。

独学が難しければ講座を受講する

宅建士やマンション管理士などの資格を学ぶ際は独学が難しければスクールの講座を受講してみましょう。本屋に行けば資格関連の参考書や過去問題集が並んでいたり、YouTubeで解説動画が見られたりと、独学でも学べる環境は整っています。

しかし独学が向いている人と向いていない人がいるため、自分が独学に向いているのかを知る必要があるでしょう。独学に向いている人は「主体性が高く自己管理ができる人」です。独学は合格するためのカリキュラムが組まれているわけではないため、自分でスケジュールやモチベーションの管理、重要なポイントの把握などを行わなければいけません。

まずは独学で試してみて、成果が出ているのかを模試や過去問で確かめてみましょう。一定期間経っても成果が見合っていない場合は、効率良く学べるスクールの講座を受講してみてください。

資格は取得してからが本番

宅建士にしろマンション管理士にしろ、資格は取得してからが本番です。たとえば宅建士の資格を取得したとしても、実務で活かせられるかが重要だといえます。宅建士としての勉強で知識が身に付いていたとしても、実務が行えるかは別問題です。資格の知識をベースとして実務経験を積むことで、ようやく一人前になっていきます。

そのため現実的には実務経験を積みつつ、必要なタイミングで資格を取得するほうがスムーズだといえます。実務未経験者は「資格の取得はあくまでスタート」だと意識して、取得後の実務経験を積むことに力を入れましょう

資格を取得して不動産開業を成功させよう

資格を取得して不動産開業を成功させよう

不動産開業で必須・役立つ資格は以下の11種類です。

  • 宅建士
  • マンション管理士
  • 管理業務主任者
  • 賃貸不動産経営管理士
  • 不動産鑑定士
  • 土地家屋調査士
  • 不動産コンサルティングマスター
  • 任意売却取扱主任者
  • ファイナンシャルプランナー
  • インテリアコーディネーター
  • 住宅ローンアドバイザー

1人で不動産開業する場合は宅建士が必須になります。他の資格は併用することで業務の幅が広がったり、他社との差別化につながったりするため、状況に応じて取得を検討してみてください。
資格を取得する際に意識してほしいポイントは、主に以下の4つです。

  • 不動産資格四冠の取得を目指す
  • 業態に適した資格の選択
  • 独学に限界を感じたら講座を受講する
  • 資格は取得してからが本番

これらのポイントを意識することで、売上アップにつながったり効率良く資格が取得できたりします。ぜひ参考にしてみてください。

なお不動産開業を成功させるには集客が重要です。ラルズネットでは、全国30地域以上で地域特化型のポータルサイトを展開しています。集客に関する悩みをお持ちであれば、ラルズネットの「不動産連合隊」まで気軽にお問合せください。

ラルズネット編集部
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