
2025年の囲い込み規制で不動産業界が変わる!改正背景と対策を徹底解説
2025年1月に不動産取引における「囲い込み」に規制が入りました。
長年問題視されてきた「囲い込み」が規制強化の対象となり、業界全体の透明性向上が求められるでしょう。
「囲い込み」とは、売主や買主にとって不利な取引を生む可能性がある行為であり、不動産会社にとっても信頼を損なうリスクがあります。
今回の規制強化によって、どのような変化が起こるのか、また不動産会社はどのように対応すべきなのかを知っておくことは、業界関係者にとって不可欠です。
本記事では、囲い込みの基本をおさらいしながら、2025年の規制内容とその背景、さらに実際に現場で求められる対策について詳しく解説します。
改正の影響を正しく理解し、これからの不動産市場においてより信頼される企業運営を実現するためのヒントをお届けします。
目次[非表示]
- 1.不動産の囲い込みとは?まずは基本をおさらい!
- 2.2025年1月から不動産の囲い込み規制が強化!改正の背景
- 3.2025年の不動産の囲い込み規制の重要ポイント
- 4.不動産の囲い込みを避けるための対策!売主・買主ができること
- 4.1.信頼できる不動産会社の見極め方|囲い込みしない業者の特徴
- 4.2.媒介契約の種類と注意点|専任媒介契約は本当に安全?
- 4.3.売却活動の進捗を確認する方法|レインズの活用で不正を防ぐ
- 4.4.囲い込みに遭遇したときの対処法|相談先やクレームの出し方
- 5.2025年の囲い込み規制で不動産業界はどう変わる?
- 5.1.売主への影響|不動産売却の透明性が向上する?
- 5.2.買主への影響|希望の物件がより見つかりやすくなる?
- 5.3.不動産業者への影響|営業手法の見直しが必要に
- 5.4.囲い込み規制で業界の競争が激化?優良業者が生き残る時代へ
- 6.まとめ
不動産の囲い込みとは?まずは基本をおさらい!
不動産取引における「囲い込み」とは、不動産会社が売却を依頼された物件の情報を他社と共有せず、自社のみで取引を進めようとする行為を指します。
売主にとっては、より多くの買主候補に物件を見てもらう機会が減り、結果として売却価格が下がる可能性があります。
一方、買主にとっても、希望する物件の情報が不透明になり、より良い選択肢を逃すリスクが高まるでしょう。
囲い込みは、とくに「両手仲介」と呼ばれる取引形態で発生しやすいとされています。
両手仲介とは、売主と買主の双方から仲介手数料を得る形態であり、不動産会社にとっては利益が大きくなります。
そのため、他社に情報を提供せず、自社だけで契約を成立させようとするケースが問題視されてきました。
本来、不動産市場の健全な取引には、情報の透明性が欠かせません。
しかし、囲い込みが行われることで、売主・買主ともに不利益を被ることがあり、業界全体の信頼性を損なう要因にもなっています。
2025年1月から不動産の囲い込み規制が強化!改正の背景
今回の規制のポイントは、不動産の「囲い込み」行為を抑制し、取引の透明性を確保することにあります。
この規制強化によって、売主や買主がより公平な条件で不動産を売買できるようになることが期待されています。
しかし、なぜこのような改正が必要とされたのでしょうか。
ここでは、囲い込みの問題点と、これまでの業界の課題、さらには国土交通省が進める法改正の目的について詳しく解説します。
なぜ囲い込み規制が必要なのか?|市場の不透明さと消費者トラブル
囲い込みは、不動産取引の透明性を著しく低下させます。
売主にとっては、情報が制限されることで市場価格よりも低い価格でしか売却できないリスクが高まるでしょう。
一方、買主にとっては、適正な選択肢が与えられず、不本意な取引を強いられる可能性があります。
また、こうした問題が繰り返されることで、不動産市場全体への信頼が低下し、結果として業界全体の発展を妨げることにつながるのです。
とくに専任媒介契約を結んだ売主が知らないうちに囲い込みの被害に遭っているケースは少なくありません。
なぜなら他の仲介業者を介さずに取引を進めれば、自社の利益を最大化できるからです。
しかし、それが売主や買主の不利益につながる場合、法的な問題に発展する可能性もあります。
こうした背景から、国土交通省は取引の透明性を確保するための対策として、今回の法改正に踏み切ることになりました。
過去の囲い込み事例|実際に問題になったケースを紹介
囲い込みの問題は、過去にも何度も指摘されてきました。
たとえば、ある不動産会社が売主から専任媒介契約を受けた物件について、他社の仲介業者が買主を見つけても「すでに商談中」と偽って断るケースが報告されています。
このような行為によって、売主はより良い条件で売却する機会を失い、最終的には相場よりも低い価格で売却せざるを得なくなったのです。
また、買主側でも問題が発生しています。
希望する物件があるにもかかわらず、囲い込みによって情報が公開されないため、選択肢が限られてしまうというケースです。
人気のエリアではこのような不透明な取引が発生しやすく、買主にとっては「なぜこの物件が市場に出回らないのか」と疑問を抱かせる要因になっています。
こうした事例が積み重なり、不動産業界全体の信頼性が揺らいでいることが、規制強化の大きな理由のひとつとなっています。
国土交通省の対応|法改正の狙いと不動産市場の健全化
国土交通省は、これまでにも不動産市場の透明性を高めるための取り組みを進めてきましたが、囲い込みの問題は根強く残っていました。
そこで、より厳格な規制を導入することで、囲い込みを防止し、公正な取引の促進を目指しています。
今回の改正内容は、以下のとおりです。
- レインズへの正確な情報登録が義務化
- 取引状況の虚偽表示を禁止
- 違反した場合の罰則も強化される
また、売主への情報開示を徹底することで、不動産会社が一方的に取引を進められないような仕組みが整備されます。
こうした対応により、不動産業界全体の健全化が進み、売主・買主の双方が公平な条件で取引を行える環境が整えられることが期待されています。
しかし、規制が強化されることで、不動産会社にとってはこれまでの営業手法を見直す必要が生じる可能性もあるでしょう。
2025年の不動産の囲い込み規制の重要ポイント
今回の法改正では、より具体的なルールの整備と厳格な罰則が導入されることで、不動産会社の対応も大きく変わるでしょう。
ここでは、とくに重要となるポイントについて詳しく解説します。
レインズへの正確な登録義務化|情報公開のルールが厳格化
不動産取引の透明性を確保するために、不動産会社はレインズ(指定流通機構)への物件情報登録が義務付けられています。
しかし、これまでは登録された情報が不正確だったり、意図的に曖昧にされたりするケースが見受けられました。
たとえば、売却活動をしているにもかかわらず、レインズに「非公開」として登録し、他社からの問い合わせをブロックすることがあったのです。
今回の改正では、不動産会社は売却依頼を受けた物件について、正確な情報を一定の期限内にレインズへ登録する義務を負うことになります。
売主への情報開示の強化|囲い込み防止のためのチェック体制
今回の法改正では、売主への情報開示が徹底され、囲い込みを未然に防ぐためのチェック体制が強化されます。
具体的には、不動産会社は定期的に売却活動の進捗を売主に報告する義務を負い、レインズの登録内容や問い合わせ件数なども開示する必要があります。
これまでの不動産取引では、売主が仲介会社の動きを完全に把握するのが難しいという問題がありました。
とくに専任媒介契約を結んだ場合、不動産会社がどのような売却活動を行っているのか、どれだけの問い合わせがあったのかを詳細に知る手段が限られていたのです。
今回の改正により、売主は「本当に最適な売却活動が行われているのか?」を客観的に判断しやすくなります。
そのため、不動産会社にとってもより誠実な対応が求められることになります。
違反時の罰則強化|ペナルティはどの程度厳しくなるのか?
規制強化に伴い、囲い込みを行った不動産会社に対する罰則も強化されます。
これまでの制度では、囲い込みが発覚しても具体的なペナルティがなく、事実上の「注意勧告」にとどまるケースが多かったため、抑止力としては不十分でした。
新たな規制では、違反した不動産会社に対して以下の処分が科されます。
- 指示処分
- 業務停止命令
- 罰金
- 免許の取消し
悪質な場合には宅建業の免許取消しや営業停止といった措置も適用される可能性があり、不正を行った企業が業界から淘汰される流れが強まると考えられます。
また、売主や買主が不動産会社の対応に疑問を抱いた場合、行政機関や公正取引委員会に直接相談できる仕組みも整備されます。
不正の温床が減少し、より健全な市場環境が形成されるでしょう。
不動産の囲い込みを避けるための対策!売主・買主ができること
囲い込み規制強化により、不動産取引の透明性が向上することが期待されています。
しかし、売主や買主自身も正しい知識を持ち、適切に対応することも重要です。
ここでは、不動産の囲い込みを避けるための対策を詳しく解説します。
信頼できる不動産会社の見極め方|囲い込みしない業者の特徴
不動産取引を成功させるためには、信頼できる不動産会社を選ぶことが何よりも重要です。
囲い込みを行わず、公正な取引を行う不動産会社には、いくつかの共通した特徴があります。
まず、レインズに正しく情報を登録し、売主にも状況を適切に報告している会社は信用できるでしょう。
不動産会社の中には、レインズへの登録義務があるにもかかわらず、「情報を広く公開すると他社に取られる」などの理由で、わざと登録を遅らせるケースも見られます。
しかし、信頼できる会社は、契約後すぐにレインズへ正確な情報を登録し、売主にも売却の進捗をこまめに伝えることを徹底しています。
また、不動産会社の担当者の人柄も重要なポイントです。
日頃のやり取りを通じて、「対応が早く、誠実そうだな」と感じられる担当者であれば、トラブルを避けやすくなるでしょう。
このようなポイントを意識すれば、囲い込みをしない誠実な不動産会社を見極められます。
媒介契約の種類と注意点|専任媒介契約は本当に安全?
不動産の売却を依頼する際には、不動産会社と媒介契約を結ぶ必要がありますが、その契約形態によって囲い込みのリスクが異なります。
媒介契約の種類は、以下の3つです。
- 一般媒介契約
- 専任媒介契約
- 専属専任媒介契約
とくに注意すべきなのが「専任媒介契約」と「専属専任媒介契約」です。
これらの契約を結ぶと、売主は一社の不動産会社のみに売却を依頼することになります。
一見すると、不動産会社が責任を持って売却活動を行ってくれるため安心に思えますが、囲い込みが発生しやすい契約形態でもあるため注意が必要です。
とくに専属専任媒介契約を結ぶと、売主自身が直接買主を見つけることもできなくなるため、取引の自由度が制限されることになります。
したがって、契約を結ぶ前に「囲い込みは行わない」という明確な確認を取ることが大切です。
売却活動の進捗を確認する方法|レインズの活用で不正を防ぐ
囲い込みを防ぐためには、売却活動の進捗を確認し、不動産会社の対応をチェックすることが欠かせません。
そのための有効な手段は、レインズの活用です。
レインズは、不動産会社が物件情報を共有するためのシステムですが、売主もこの情報を確認できます。
専任媒介契約や専属専任媒介契約の場合、不動産会社は一定期間内にレインズへ情報を登録しなければならず、売主は「登録証明書」を受け取ることが可能です。
この証明書を確認することで、契約した不動産会社が適切に情報を登録しているかどうかをチェックできます。
また、定期的に不動産会社へ売却活動の報告を求めることも大切です。
売主には、媒介契約の種類に応じて、不動産会社からの報告を受ける権利があります。
もし、不動産会社が問い合わせ状況や内覧件数などの情報を曖昧にしたり、報告を怠ったりするようであれば、囲い込みの可能性を疑うべきでしょう。
囲い込みに遭遇したときの対処法|相談先やクレームの出し方
万が一、囲い込みの疑いがある場合は、適切な対応を取ることが大切です。
不動産会社との話し合いで解決できるケースもありますが、状況によっては第三者機関に相談することも視野に入れる必要があります。
まず、不動産会社に直接確認を取ることが第一歩です。
「他の仲介業者からの問い合わせにはきちんと対応しているか」
「商談中とされているが、具体的な進捗はどうなっているのか」
このような質問をして、明確な回答を求めましょう。
それでも状況が改善しない場合は、都道府県の宅地建物取引業協会や消費者センターに相談することが有効です。
また、国土交通省や公正取引委員会にも囲い込みの問題を報告できるため、悪質な事例については積極的に相談を検討するべきでしょう。
2025年の囲い込み規制で不動産業界はどう変わる?
2025年1月に施行される囲い込み規制の強化は、不動産市場全体に大きな影響があります。
ここでは、売主・買主・不動産業者それぞれの立場から、今回の規制強化がもたらす変化について詳しく解説します。
売主への影響|不動産売却の透明性が向上する?
囲い込み規制の強化により、売主にとって最大のメリットとなるのが、不動産取引の透明性が向上し、より公平な売却が可能になることです。
これまで、売主は契約した不動産会社の対応を完全に把握することが難しく、気づかないうちに囲い込みの被害を遭うケースも少なくありませんでした。
しかし、今回の規制強化により、不動産会社はレインズへの正確な情報登録が義務化され、売主に対して売却活動の詳細な報告を行う必要が生じます。
これにより、売主は「どのくらいの問い合わせがあるのか」「どの不動産会社が買主を紹介しているのか」といった情報を適切に把握でき、囲い込みによる不利益を防げます。
また、他社の仲介業者にも平等に情報が提供されることで、より多くの買主の目に触れる機会が増え、結果としてより良い条件で売却できる可能性が高まるでしょう。
不動産会社が売主に対して囲い込みを行った場合、厳しい罰則が適用されるため、誠実な対応を行う企業が増えることも期待されます。
買主への影響|希望の物件がより見つかりやすくなる?
買主にとっても、囲い込み規制の強化は大きなメリットとなります。
これまでは、不動産会社が自社で取り扱っている物件しか紹介せず、より条件の良い物件が市場に出回っていても、その情報にアクセスできないケースが少なくありませんでした。
しかし、2025年以降は囲い込みが厳しく規制されるため、買主が希望する物件情報をより広範囲で収集できるようになります。
レインズの情報もより正確に登録・管理されるため、実際には商談が進んでいない物件が「商談中」と偽られるようなケースも減少し、本当に購入可能な物件をスムーズに探せるようになるでしょう。
また、複数の仲介業者が同じ物件を扱う機会が増え、適正な価格競争が促進されることも期待されます。
これにより、買主にとってより適正な価格で物件を購入できる環境が整うでしょう。
不動産業者への影響|営業手法の見直しが必要に
不動産会社にとって、今回の規制強化は大きな転換点となります。
これまで囲い込みによって自社の利益を優先していた業者は、営業手法の見直しを迫られるでしょう。
売却物件を独占することで両手仲介を狙っていた企業にとっては、従来のビジネスモデルが通用しなくなる可能性があります。
そのため、今後は「売主の利益を最大化する」ことを重視した営業戦略へとシフトしていく必要があるでしょう。
具体的には、以下のような対策を講じる企業が増えていくと考えられます。
- 売主に対して積極的な情報開示を行い、透明性の高い取引を推進する
- 買主に対してもより公平に情報提供を行い、信頼性の向上を図る
- 仲介業者同士の連携を強化し、適正な売却活動を支援する
また、規制違反が発覚した際のペナルティが強化されるため、コンプライアンスの徹底が求められるようになります。
これまで曖昧な運用をしていた企業は、業務プロセスの見直しを行い、適正な取引を維持するための体制を整えることが急務となるでしょう。
囲い込み規制で業界の競争が激化?優良業者が生き残る時代へ
囲い込み規制の強化により、不動産業界全体の競争環境も大きく変化すると考えられます。
これまでは、囲い込みを行うことで自社の利益を確保していた企業が一定数存在していましたが、規制強化によってこの手法が通用しなくなります。
その結果、公正な取引を行い、顧客からの信頼を得られる不動産会社が生き残る時代へと移行していくでしょう。
囲い込みができなくなることで、物件の魅力を正しく伝え、適正な価格設定やマーケティング戦略を駆使する企業が評価されるようになります。
また、消費者の意識も変わる可能性があります。
これまで不動産取引に対して不信感を抱いていた売主や買主も、透明性の高い取引が当たり前になることで、より積極的に市場に参加するようになるでしょう。
その結果、業界全体がより活発になり、公正な競争が促進されることが期待されます。
まとめ
今回は、2025年1月に施行される囲い込み規制の強化について解説しました。
この規制により、不動産取引の透明性が向上し、売主や買主はより公平な条件で取引できるようになります。
また、不動産会社にとっても、信頼性の高い営業手法への転換が求められ、適正な市場競争が促進されることが期待されています。
レインズの正確な登録義務や虚偽の取引状況表示の禁止など、具体的な規制内容を理解し、適切に対応することが重要です。
売主や買主は、不動産会社の対応を見極め、囲い込みを避ける工夫が求められます。
これからの不動産市場では、公正な取引を徹底し、透明性を重視する企業が選ばれる時代へと移行していきます。
業界の変化を正しく理解し、より良い不動産取引を目指していきましょう。