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マンションの大規模修繕ポイント|劣化現象や修繕方法、時期を解説

建物は時間の経過とともに劣化するため、必要な修繕を適切なタイミングで実施することが不可欠です。今回はマンションの大規模修繕において確認すべきポイントや代表的な劣化現象、修繕時期の目安について詳しく解説します。建物を長持ちさせて有効活用するためにも、ぜひ参考にしてみてください。

目次[非表示]

  1. 1.マンションの大規模修繕ポイント
    1. 1.1.マンションの大規模修繕で見るべき劣化現象
      1. 1.1.1.錆(サビ)
      2. 1.1.2.クラック(ひび割れ)
      3. 1.1.3.エフロレッセンス(白華現象)
      4. 1.1.4.チョーキング(白亜化現象)
    2. 1.2.マンションの大規模修繕で見るべき劣化箇所
      1. 1.2.1.シーリング
      2. 1.2.2.屋上
      3. 1.2.3.ベランダ
  2. 2.マンションの大規模修繕ポイントを抑えて適切な対策を!


マンションの大規模修繕ポイント

マンションは築年数とともに劣化するため、マンションを保有している以上は必要な修繕を行わなければいけません。ここではマンションの大規模修繕で見るべき、代表的な劣化現象・箇所を紹介します。

マンションの大規模修繕で見るべき劣化現象

マンションの大規模修繕で見るべき劣化現象は、以下のとおりです。

  • 錆(サビ)
  • クラック(ひび割れ)
  • エフロレッセンス(白華現象)
  • チョーキング(白亜化現象)

それぞれ解説します。

錆(サビ)

まずは金属部分に発生する錆です。たとえば金属製の階段で塗膜の傷や接合部分から錆が発生すると、長期に放置することで金属の腐食が進み強度不足になります。最悪の場合、階段が崩落したり手すりが落下してしまったりという事故につながるでしょう。

階段等で錆が出た際は、早めに塗装することが重要です。錆を放置して修復できなくなった場合は補強や交換をすることになり、余計に修繕費がかかってしまいます。定期的に点検を行い、必要に応じて塗装していくことが長持ちさせるポイントです。 

クラック(ひび割れ)

クラック(ひび割れ)

クラックはコンクリートに発生する、ひび割れのことを指します。クラックの主な発生原因は、コンクリート下地の膨張・収縮です。膨張・収縮は、乾燥や温度変化などの影響で起こります。

クラックは時間が経過すると発生するため、定期的に点検や修繕をしていくことが重要です。一般的には0.2ミリ以内のクラックであれば、あまり問題はないといわれています。しかし、大きなクラック(0.5mm以上)が入っている場合は、すぐに点検や修繕が必要になります。

また、無数に小さなクラックが発生しているコンクリートというのも、点検や修繕が必要な状態です。修繕が必要なクラックは、充填剤の注入による止水処理が必要になります。

エフロレッセンス(白華現象)

エフロレッセンス(白華現象)

エフロレッセンスは白華現象とも呼ばれ、コンクリート表面に白い粉や液体が現れる現象です。クラックに水が入りコンクリート内部の成分が表面に出て固まることで、エフロレッセンスが発生します。

エフロレッセンスが現れた際は、大規模修繕の実施時期だと覚えておきましょう。放置することでクラックからコンクリート内部に水が侵入し、鉄骨等にも影響を及ぼす可能性があるため放置は厳禁です。

チョーキング(白亜化現象)

チョーキング(白亜化現象)

チョーキングは外壁の劣化現象であり、塗料が紫外線によって分解し粉になることで発生します。手で触ると、チョークの粉が付いたようになるのが特徴です。チョーキングの発生は、外壁の修繕時期だといえるでしょう。高圧洗浄でチョーキング部分を洗い流した後に、塗料を塗り直して修繕します。


マンションの大規模修繕で見るべき劣化箇所

マンションの大規模修繕で見るべき劣化箇所は、以下のとおりです。

  • シーリング
  • 屋上
  • ベランダ

それぞれ解説します。

シーリング

シーリングとは、外壁の継ぎ目や建具廻りなどの防水や強化に必要なゴム状の防水材です。素材がゴムという特性上、シーリングも経年劣化の対象となります。シーリングを指で押して、弾力がある状態であれば問題ありません。しかし、ひび割れや触った際にべたつきがあると修繕が必要です。 

シーリングの交換の時期については大体10年に1回といわれています。多くの場合は、大規模修繕を行うタイミングでシーリングを打ち直すのが一般的といえるでしょう。修繕で注意すべきポイントは、劣化したシーリングの上から上塗りする「打ち増しをしない」ことです。

修繕会社によっては、費用を節約する目的で増し打ちを行う場合があります。増し打ちすると下地が劣化した状態で新しいシーリングを貼ることになるため、すぐにシーリングが取れてしまうでしょう。シーリングの修繕に関しては、劣化したものを一度外し、新しく打ち直す必要があります

屋上

屋上は漏水リスクがあることから、収益物件や居住用不動産の販売価格に大きな影響を及ぼします。屋上で雨漏りの原因となる危険部位は、ドレン(排水管や下水溝など)の周辺や笠木部分の割れ、シートの割れ、壁と防水層の繋ぎ目などです。賃貸で貸す場合は居住者に迷惑がかかってしまうため、定期的な点検や修繕が必要になります。

また大規模修繕で屋上の防水が実施済みの物件であっても注意が必要です。屋上の防水層は変えたものの笠木部分の補修を行わなかったことで、漏水したという事例があります。しっかりと現地で状況を確認しながら、必要な修繕を行うことが大切です。

ベランダ

ベランダも防水が必要になる重要な部分です。とくにサッシ廻りのシーリングや防水層の割れ、ドレンなどの部分というのは水漏れがしやすい箇所になります。大規模修繕の実施時期といわれる15〜20年に1回(鉄部塗装は8〜10年に1回)は、点検が必要です。 

ただし、物件の状態によって修繕時期が変わることは覚えておきましょう。15年経たずとも修繕が必要な場合もあれば、20年以上経過していても修繕の必要性が低い場合もあります。必ず現状を実際に確認し、必要な修繕を行うことが重要です。 

また費用対効果も重要になるため、コストパフォーマンスを考慮しつつ、必要な修繕を必要な時期にしっかり行うことを意識しましょう。 

マンションの大規模修繕ポイントを抑えて適切な対策を!

マンションの大規模修繕ポイントを抑えて適切な対策を!

マンションを長持ちさせて有効活用するには、劣化現象を早期に発見し、適切なタイミングで修繕を行うことが大切だといえます。注目すべき建物の劣化現象と箇所、修繕方法は以下のとおりです。

【劣化現象】

  •   金属部分の錆(塗装)
  •   コンクリート部分のクラック(充填剤による止水処理)
  •   コンクリート部分のエフロレッセンス(大規模修繕)
  •   外壁のチョーキング(高圧洗浄後に塗装)

【劣化箇所】

  •   シーリングの劣化(新しく打ち直す)
  •   屋上の漏水(防水工事)
  •   ベランダの漏水(防水工事)

定期的な点検や修繕を怠り劣化現象やトラブルを放置すれば、安全性の低下や劣化が進行する原因になります。結果的に修繕費用がかさむと同時に、建物の寿命を縮めてしまうことにもなりかねません。普段から劣化現象や修繕時期、費用への意識を高め、計画的に修繕対策を行っていきましょう

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ラルズネット編集部
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